ウォールデコレーションについて
仕事で街並みや建物の絵をよく描きますが、車の絵を依頼されることはほとんどありませんでした。
「車描けるよ~」とアピールしても、描いた物を見せたことがなく・・・というよりは真面目に描いたことが実はなかったり。
実生活では車が趣味で乗ったりいじったりいろいろしてきましたが、不思議と絵で描くということをしたことがありませんでした。
まあ、仕事や車の修理(破壊?)他にけっこう忙しく、特にここ何年かは、余力がない状態。
ところがつい最近、ようやくそのへんの目処がたち少し余裕が出てきたのか
「そうだ。あれをやろう」
という気持ちになったわけです。
もう少し詳しく話すと、前から部屋が少々殺風景な感じがあって「なんか壁に飾るものがほしいなあ」
という気持ちがありました。
以前から好きな画家の油彩(ポスター)をフレームにいれて部屋に飾ってましたが、それだけでは物足りない。
どうせなら車の絵も置いてみたい。
ならば、なんか良いものはないかと店を回ってみたり、ネットで調べてみたり。
すばらしい作品をオーダーで制作したり、販売してる作家さんもいらっしゃいますが、ちょっと自分の欲しい、イメージした感じとは違っていて
「そうだ、せっかくだしこの機会に自分で描いてみよう」
となったわけです。
そんなわけで、まずは車を走らせ、なんとなく良い場所をみつけて写真をとりました。
写真をもとに車ごと風景を描く。
そんなコンセプトを頭で思い描いたのです。
↑良い場所見つけた!と思い撮った写真。
今みると、さほど雰囲気良くなく。
写真をもとにイラストを制作中。がなんか思ってた感じとは違う。
なんだろう、画力が問題なのか。そもそも場所自体に力がないのか。
背景がすごく目ざわりな感じがしてこのまま触っても良くなりそうもない。
というか、自分が飾ろうと考えていたものとは全然ちがう。
一体どこで間違えたのか?
そもそも自分がイメージしたイラストはどんな風だったのか。
もっとこうシンプルで、車のカタログみたいな・・・
という事で車を残して背景をいったん廃棄、自分のイメージをもとに思考をめぐらす。
自分が欲しいのは壁を飾るデコレーション。間違っても風景画ではない。
かといって、車単体だけでは物足りない。
考えていくと、やっぱり車のカタログのようなイメージが浮かんでくる。
そこでカタログっぽい感じを着想し画面を構成していく。
車のサイズは程々にして、見栄の良い文字列が画面に欲しい。
文書の内容はなんでも良くて、デザインとして良い位置にある事が重要。
そこそこボリュームある文字数で、できればアルファベットで・・・
あまりに文字の内容がテキトーでも良くないので、とりあえずカタログから文字列を採取して配置してみる。
以上を考慮して制作。
シンプルに車+影+文字。
うん。悪くない方向。ちょっとイメージに近づいたかな。
ちなみに実車カタログは銀黒イメージなので、もう少しひねって見る。
右を光源にグレーで雨をふらすイメージ。
悪くないけど、もう少し色味が欲しい。
でも背景の色味が多いと、多分車が埋没してイメージから外れてしまう。
文字列もこの色味だとあまり生きてこないし、背景自体にもう少し情報量が欲しい。
あと背景は文字列や車を邪魔しないよう、コントラスト弱めの方向がよさそう。
という事でこんな感じに落ち着きました。
背景色は車体色と良いコントラストになるような色を選択し、調整。
背景の濃淡はあくまでも弱く。手前の車の邪魔をしない。
背景は車とのバランスを見て程よくトリミング。
文字列は良いアクセントになるよう、適所に配置。
以上がこのイラスト制作で学んだ事で、これが私のウォールデコレーションの流儀となります。
完成後、さっそく印刷して額装すると、イメージした通りのまずまずの仕上がり。
気をよくした私は、早速二作目にとりかかったのは言うまでもありません。
壁を飾る装飾として、全体を見渡したり、ディテールを楽しんだり、文字を読んでふーんとうなったりと楽しんでます。
肝心の車の絵の仕上がりはというと、まあ悪くないのではないでしょうか。
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